更年期は人生の通過点の一つ。誰にでも訪れるものですが人によってかなり状態によって違いがあります。なんともない方もいれば、かなりつらい症状に苦しむ方もおられますし、症状も人によって様々です。また、50歳だから…などと年齢で一律に決められません。最近は30歳代で更年期特有の症状が出てくる人もおられます。
そこで今回は、この不思議な更年期について中医学の視点から考えてみましょう。
その原因は…
卵巣は35歳をピークにして卵子を育てる卵胞の重さや数が減ってきます。同時に女性ホルモンの量も減っていきます。この情報が血液を介して脳の視床下部に伝わると、もっと女性ホルモンを増やすように命令が卵巣に下りてきます。しかし、卵巣では卵胞の数が少なくなっているわけですから女性ホルモンも応えることができず、体のバランスを保てなくなってしまうことが主な原因です。
症状は…
ホルモンの減少から…
ホットフラッシュ、多汗といった症状をはじめ…尿失禁、皮膚のかゆみ、骨粗鬆症、高脂血症など
自律神経にも影響して…
イライラ、不安などの精神症状に伴い動悸・耳鳴り・めまい・頭痛・不眠・足腰の冷えなど
免疫系では…
いろいろな病気などに関わってくる場合があります
中医学の考え…
現代医学では「卵巣」「女性ホルモン」がキーワードになりますが、中医学では「腎」「陰陽」がキーワードになります。
「誕生→成長→生理→妊娠→出産→閉経→老化」といった人間の成長を「腎」の働きによるものと考えているのです。腎は骨の成長もコントロールしていますから腎が弱ってくれば骨ももろくなります。また、腎には体を温める「陽」と体を涼ます「陰」があり、腎虚になると陰陽のバランスが乱れて体が熱くなったり寒くなったりするわけです。そして、腎の陰陽の乱れは他の臓器の働きも乱れて自律神経系にも影響してきます。
タイプ別では…
①ほてり、のぼせ型→肝腎陰虚
②イライラ型 →肝気鬱結
③クヨクヨ型 →心脾両虚
④ドキドキ型 →心腎不交
⑤冷え型 →腎陽虚
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